子供はスポンジのように

先日、小学一年生の男の子がピティナのステップに初参加しました。
ピアノは2年半前からされていますが、うちに来られてからは半年です。
とても元気が良く、子供らしいお子さんで レッスン室でもあちこちに気持ちが行くようです。
一緒に来られているおばあちゃまは毎週ハラハラされています。

そんな彼ですが、私は何か光るものを感じています。
こういう音を出してみて、ここはこういう風に感じて弾いてみて、というこちらの要望に何とかして応えようとその時は必死で音を探ります。
集中して必死で聴いています。
何とか近づけようと何回も弾きます。
ただし、そういう作業に慣れていないので 翌週には戻っていることも多々あります。
でも 定着していることも少なからずあります。
まるでスポンジのように言葉をかけて注げば注ぐだけ吸収してくれます。

レッスンはこの繰り返しですが こちらが言い続けることで 間違えなく上達していきます。
ステップは緊張感の中、テクニックの定着をはかる良い機会になりました。
人前で弾くことは彼の持つスポンジ自体を大きくすることにつながると考えています。

講評の中で、栃木から来られていた男性の先生がおっしゃられていたことが印象に残りました。
先生はお孫さんも手ほどきされているそうです。
偉い先生のお孫さんと言えども 練習も進まず、まして、自ら練習することなど滅多にないそうです。
でも、毎日のコツコツとした積み重ねがとても大切なこと、そして ピアノが好き、と思う時期は結構遅く、時期が来るまで 周りのひとも練習させるのは 大変ですがキレずに待って欲しいこと、を言われていました。

お母様手作りの服を嬉しそうに着て、普段のおちゃらけを封印した彼は礼儀も正しく、立派に演奏できました。
帰りは清々しいお顔をされていたのも印象的でした。