学校の音楽って何のために?

兵庫県川西市の高橋ピアノ・リトミック教室です。

先日、中学の定期考査が終わり、生徒たちが返された音楽のテストを持ってきました。
対策の甲斐あって点数的には問題ない結果でした。
ただ、一人一人の生徒たちと ここは取れたよね、などと反省を話し合ううちに なんだか腑に落ちないことだらけで…

まず、一年生の平均が40点代であったこと。
うちの生徒はピアノも習っていて、テスト対策もあり、平均の倍以上の点数は取ってきていましたが 近くの席に7点の子がいたとか…
中学生になって初めての音楽のテストで ひどい点数を取ったその子は苦手意識を持ったことでしょう。
そのテストの問題の中に ♩=136 は ( )を表す表示であり…
という問題がありました。
うちの生徒は答えに テンポ 、と書きましたが ペケ とされ、答えは 速度 ということでした。

一方、三年生のテスト範囲は 歌舞伎、雅楽、鑑賞のアイーダ、歌唱の 花、と広範囲でした。
テスト対策ではヤマをはり、アイーダを重点的にやりました。
ところが、アイーダの配点は36点もあったにも関わらず 5行の問題文だけで、その中の半分の9問中5問が エジプトの将軍の名前 や父親の名前など 登場人物の名前を書かせるものでした。1問4点です。名前だけで20点の配点です。
それ、いる?と思わず 突っ込んでしまいました。
物語の展開やあらすじ、作曲者ヴェルディのこと、時代背景などの方が将来の知識として重要なことだと思うのですが。

うっかり クレッシェンド、と書いたところも 小さいツに ペケをされていました。
そもそも、カタカナ表記に 小さいツが あるとかないとか こだわる必要があるのでしょうか。
mezzoはメッゾで小さなツがいるとか pianissimoは小さいツがいるとか それ、必要?
文科省で統一されているのでしょうが。
ツが ある、ない、より 読めて書けて、意味がわかり、表現できたらマルなのではないでしょうか。
それを言い出すと、だいたいカタカナで書くことに無理があります。
リ、だって巻き舌の リ、なのでカタカナでは表せないはずなのですから。
ブレスのスはthで ス、ではないですし…

確かに三学年とも、問題の冒頭部に
※教科書、ワークの答え方で書いてください と注意書きがありました。
でも 速度、をテンポ、と書いて ペケ、って やはりおかしい…
三角でもなく、立派なマルだと思うのです。
そこにペケをつけることに なんだか愛が感じられない、と思ってしまうのです。

先生は文科省のカリキュラム通りに教えられているのでしょう。
教え子の中には教員を目指す子がいるかもしれないので きっちりと文科省の指示通りに…と思われているのかもしれません。
教員を目指す子は教える立場になるので、その試験の際には確認が必要でしょう。
その時にはまた、読み方が変わっているかもしれません。

他の科目の勉強も覚えることがたくさんあって、子供達は大変です。
音楽はもちろん、覚えることもたくさんありますが『音学』ではないのです。
ブルースに代表されるように音楽は苦しみから魂を救ってくれるものであり、様々な踊りの曲は喜びを表現するもので、人類の古い時代から世界の各地でそれぞれに奏で演じ継がれたもので…
もっと壮大な科目だと思うのです。
小さいツ、とか…ため息出ます…

私も私の友達のピアノの先生も 子供達に音楽を好きになってもらいたくて 必死で勉強を続けています。
色んな場面で その子の助けに 少しでもなったらいいなぁと思っています。

学校のテストも その子の教養として身につき、何かの場面で役にたつかな、という視点で作って欲しいです。
歌う喜び、ハモる楽しさ、音楽鑑賞で世界各国の時代背景を知り、日本独自の文化もざっくりわかって…
そして心から音楽を楽しんで欲しいです。
高校でも音楽を選択したいと思うくらい、好きでいて欲しいなぁと切に願います。