音楽を止めない

当教室では、2年半ぶりとなる発表会を開催しました。

本来なら3月に開催する予定だった発表会。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、3月の開催を見送ることになりました。

当教室の発表会は2年に一度。

前回の発表会から、気がつけば2年半もの時間が空いてしまいました。

「次の発表会では、どんな曲を弾こう?」

生徒たちはきっと、そんな楽しみな気持ちで練習していたと思います。

けれど、いつものように発表会を開催することはできませんでした。

開催するか、延期するか。

どんな形なら、生徒たちを安心して舞台に立たせてあげられるのか。

私たち講師も、何度も考え、悩みました。

そして、ようやく7月に開催することを決めました。

ただし、これまでの発表会とは大きく形を変えなければなりませんでした。

まず、発表会の楽しみの一つだった、会場全体で歌う「合唱」を取りやめました。

小さな生徒たちが演奏していたピアニカも、今回は中止。

その代わりに、みんなで楽しめる「カップス」に変更しました。

大きな生徒たちの合奏も、いつもの楽器ではなく、カスタネット合奏に。

今まで当たり前だった演目を一つひとつ見直し、「今できること」を考えていきました。

会場に入る前には検温と消毒。

さらに、出演者とお客様の入れ替えの際には、全席の消毒と換気を行いました。

できる限りの感染対策をしながら、慎重に準備を進めました。

正直なところ、私自身も不安でいっぱいでした。

本当に開催していいのだろうか。

無事に最後まで終えることができるだろうか。

これまで経験したことのない状況の中での発表会でした。

それでも、そんな私たちの不安をよそに、生徒たちは一生懸命でした。

長い間、発表会を待っていたからこそ、舞台に立つことを楽しみにしていたのだと思います。

練習の中では、うまく弾けなくて悩むこともありました。

思うように仕上がらないこともありました。

それでも、少しずつ練習を重ね、本番の日を迎えました。

そして、本番。

舞台に立った生徒たちは、本当に立派でした。

小さな生徒も、大きな生徒も、それぞれが自分の音楽を一生懸命に届けてくれました。

カップスも、カスタネット合奏も、みんなで心を合わせて演奏しました。

いつもの発表会とは違う形でしたが、そこには間違いなく、子どもたちが音楽を楽しむ姿がありました。

そして、演奏を終えた生徒たちの表情を見たとき、

「やっぱり、発表会を開催してよかった」

と心から思いました。

2年に一度の発表会が、2年半ぶりになりました。

できなくなったこともたくさんありました。

変更しなければならないこともたくさんありました。

けれど、そんな状況の中でも、生徒たちは前を向いて、一生懸命に練習し、日頃の成果を立派に発表することができました。

今回の発表会を通して、改めて感じたことがあります。

音楽は、どんな状況でも人の心をつないでくれる。

合唱ができなくても、ピアニカができなくても、いつもの合奏ができなくても、できる形を探せば、音楽を届けることができる。

そして、子どもたちは、どんな環境の中でも成長していくことができる。

いつもとは違う発表会だったからこそ、私たちにとって忘れられない一日になりました。

長い間、発表会を待ってくれた生徒たち。

一生懸命に練習してくれた生徒たち。

そして、感染対策にご理解とご協力をいただきながら、子どもたちを支えてくださったご家族の皆さま。

本当にありがとうございました。

あの日、舞台の上で一生懸命に演奏してくれた子どもたちの姿は、今でも私の心に残っています。

形は変わっても、音楽は止まらない。

そして、子どもたちの成長も止まらない。

この発表会は、私たちにそんな大切なことを教えてくれた一日でした。

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