たくさんの経験を積む発表会
当教室の発表会には、少し特徴があります。
それは、一人の生徒さんに、できるだけたくさんの舞台経験をしてもらうこと。
今回の発表会も、基本的に一人につき3回の出番を用意しました。
そして、今回が初めて発表会に参加する生徒さんには、さらにもう一回。
初参加の生徒さんは、なんと4回の出番です。
「一人でピアノを弾くだけでも緊張するのに、そんなに出番があるの?」
と思われるかもしれません。
でも、私たちはこの「たくさん舞台に立つ経験」を、とても大切にしています。
発表会というと、「練習してきた曲をステージで発表する」というイメージが一般的かもしれません。
もちろん、それも大切です。
けれど、発表会で経験してほしいのは、それだけではありません。
人前に立つこと。
仲間と一緒に音楽を作ること。
自分の役割を最後まで責任を持って果たすこと。
そして、緊張する中でも、自分の力で一歩前に出ること。
そうしたさまざまな経験をしてもらいたいと考えています。
今回の発表会では、基本的に
① ソロ演奏
② 連弾演奏
③ 合奏
という3つの出番があります。
さらに、開会または閉会の際には、マイクを持ってみんなの前で挨拶をするという役割もあります。
そのため、初めて参加する生徒さんは4回の出番になります。
やはり発表会の中心になるのは、一人で演奏するソロです。
自分一人でステージに立ち、たくさんのお客様の前で演奏する。
普段のレッスン室とは全く違う環境です。
舞台に出るだけでも緊張します。
客席にはご家族やお友達、たくさんのお客様がいます。
手が震えることもあるでしょう。
頭が真っ白になりそうになることもあるでしょう。
それでも、自分でステージに出て、自分の力で最後まで演奏する。
これは、とても大きな経験です。
演奏が終わってステージから戻ってきた生徒さんの表情を見ると、みんな少し大人になったように感じます。
「緊張した!」
「間違えた!」
「ちゃんと弾けた!」
いろいろな感想がありますが、そのすべてが大切な経験です。
そして連弾!
ソロとは違い、連弾では一人ではありません。
誰かと一緒に一つの曲を作ります。
ここでは、自分だけが上手に弾けばいいわけではありません。
相手の音を聴く。
呼吸を合わせる。
テンポを感じる。
相手がどう弾いているのかを考えながら、自分の音を出す。
つまり、「自分」だけではなく「相手」と音楽を作る経験になります。
ピアノの演奏を通して、相手を思いやることや、合わせることの大切さも学ぶことができます。
そして合奏!
合奏になると、さらにたくさんの仲間と一緒に音楽を作ります。
自分の音だけではなく、周りの音を聴きながら演奏しなければなりません。
自分の出番だけ頑張ればいいわけではなく、みんなで一つの音楽を完成させるために、それぞれが自分の役割を果たします。
小さな生徒さんも、大きな生徒さんも、それぞれに役割があります。
簡単な役割だから大切ではない、ということはありません。
一人ひとりの音が重なって、初めて一つの音楽になります。
だからこそ、
「自分の役割をしっかり果たす」
という責任感も育っていきます。
初参加の生徒さんにはさらにお役目が!
開会または閉会の挨拶で、一人ずつ覚えたご挨拶や注意事項を言ってもらうこと。
これも、当教室の発表会で大切にしている経験の一つです。
もちろん、セリフは生徒さん自身が考えるわけではありません。
こちらで、その年齢や役割に合わせてセリフを考えています。
それを覚えて、舞台に立ち、マイクを持って、会場にいるたくさんの人の前で話します。
これも大切な経験です。
普段、大勢の人の前で話す機会は、子どもたちにとってそれほど多くありません。
マイクを持って舞台の中央に立つ。
客席を見る。
自分の言葉をみんなに届ける。
そして、最後までやり遂げる。
たった数十秒、数分のことかもしれません。
けれど、その経験が子どもたちの中に小さな自信として積み重なっていきます。
発表会=ピアノを弾く場 とは考えていません。
多くの出番を作っているのには理由があるのです。
発表会を、単に「ピアノの上手さを披露する場」にはしたくはないのです。
舞台に立つ。
人前で演奏する。
仲間と協力する。
自分の役割を果たす。
人前で話す。
緊張する。
失敗するかもしれない。
それでも最後までやってみる。
こうした経験の一つひとつが、子どもたちの成長につながると考えています。
ピアノを習うことで身につくものは、演奏技術だけではありません。
集中力、忍耐力、表現力、協調性、責任感、そして人前に立つ勇気。
そして何より、
「緊張したけれど、最後までできた!」
という経験から生まれる自信。
それを、発表会という特別な一日を通して感じてもらいたいと思っています。
今回も、生徒たちはそれぞれの場所で一生懸命頑張ってくれました。
ソロでは自分自身と向き合い、連弾では相手と息を合わせ、合奏では仲間と一つの音楽を作り、
そして挨拶では勇気を出してマイクを持つ。
一日の中で、これだけたくさんの経験をすることは、子どもたちにとって決して簡単なことではありません。
だからこそ、すべての出番を終えた生徒たちの表情を見ると、私はとても嬉しくなります。
「よく頑張ったね」
という気持ちと同時に、
「また一つ、大きくなったね」
と感じます。
発表会で経験したことが、これから先、ピアノ以外のさまざまな場面でも、生徒たちの力になってくれたら嬉しいです。
これからも当教室では、ただピアノが上手になるだけではなく、
音楽を通して、子どもたちが自信を持って成長していけるような経験を大切にしていきたいと思います。
